『もう会えない』
…そう、思ってた。
後悔はしてないけれど、心の底では寂しかったのかも知れない。

でも、もう会えない。
ボクには帰り道がわからないから。
次元を超える事も、出来ないから。

皆の活躍を、聞くことも…出来ないけれど。
皆が元気でいてくれることを、祈っていようと思った。


『今までの縁が、完全に消え去ったわけでは、ないんだものね……』

△閉じる△

荒哉にも話さず、行くことを決めたのはボクだ
結社でもクラスでも、誰に相談する事なくボクは姿を消せる筈だった
……でも、君は付いて来てしまったんだね


ボクは何も望まなかった
何も、望んだことはなかった
だってボクは大事なものを何も、持っていないから
……唯一あったのは、『想い』くらいだ
誰かはボクの事を想って悲しんでくれるんじゃないかって…
…ありもしない想いが、脳内を過ぎっていただけ


だからボクは、簡単には戻らない
戻れたとしても、戻らないかもしれない
……もしも、誰かが呼び止めてくれたのなら
…流石に、戻ってしまうのかも、しれないけれど











それでもボクは
旅立ったことを、後悔してないよ

△閉じる△

ボクは誰の意志も継がない。
だって自分の道は自分で決めて、面白おかしく生きるのがいいじゃない？

意志は継がないけれど、ぼんやりと、狼で過ごしたボクの記憶に齟齬がある。
…なんども考えてみたけれど、
どうやら知らず知らずのうちに君の記憶がボクの思い出に変わってた。

今では傍らの灰の翼。
…ボクの知らないハズの獅子や狐。
彼らと面識があったのは、君の記憶に強くのこっていたからだろう？

様々な騒動の果てに、異次元空間へ飛ばしたのも…魂の絆があったから、っていうんだろ。
…そんなのはなぁ、信じたモン勝ちだ。
もちろん、ボクは信じるさ。
だってほら、信じなくちゃ人生を面白おかしく生きていけないじゃない？




もう…君の眠りを妨げるものは居ないよ。
ゆっくり、お休み。
親愛なる灰色の片翼。

ボクと魂の絆を結んでいてくれて…ありがとう。
様々な絆を運んだ灰色の片翼。
…君は飛べない鳥ではなかったよ。
これで、安心して…親しき人の元へ飛んでいけるだろー…？

△閉じる△